こんにちは、15韓国語の編集長で韓国語ネイティブ『ナ先生』です!
日本語でいう“あの行為”を韓国語でなんと表現するか、ご存じでしょうか。今回は、韓国語のメッセンジャー文化で頻繁に使われる「읽씹(イルシプ)」と「안읽씹(アンイルシプ)」を中心にお話しします。友だちや恋人とのやり取りでよく起きる、あの状況…。韓国語学習者の皆さんにとって、リアルで役立つ内容になるはずです。
1. 「읽씹(イルシプ)」はどんな意味?
「읽씹(イルシプ)」は、ハングルで「읽고 씹다(イルゴ シッタ)」の略です。「읽고 씹다」を直訳すると「読んで無視する」で、メッセージアプリやSNSなどで、メッセージを既に読んだのに返信しないという行為を指します。
- 메시지 읽씹하지 마
(メッセージを読んだままにしないで) - 왜 읽씹해?
(どうして読んでスルーするの?)
特に若い世代では、仲の良い友人から「읽씹しないで!」と軽く文句を言われることもあります。実際には「返信するのを忘れちゃった」「急用で返せなかった」などの状況もあるかもしれませんが、受け手からするとちょっとショックを受ける行為かもしれませんね。
2. 「안읽씹(アンイルシプ)」の正体
一方、「안읽씹(アンイルシプ)」は「読んでもいないのに返事しない」状況を指します。ハングルで書くと「안 읽고 씹다(アン イルゴ シッタ)」の略語です。これは、日本語でいう“あの行為”の中でも未読のまま放置しているケースを表現します。
- 왜 안읽씹해?
(どうして未読のまま無視するの?) - 안읽씹하는 이유가 뭐야?
(未読のまま無視する理由は何?)
実際には「仕事中でアプリを開いていない」「電池切れで気づかなかった」「単に通知が多すぎて埋もれてしまった」など、理由はいろいろ考えられますが、送った側からすると少し寂しい気持ちになるかもしれません。
3. カカオトークやSNSでのメッセージ文化
韓国では、多くの人がメッセージアプリ(例:カカオトークや各種SNS)を使います。そこでは、メッセージを読んだかどうかが相手にわかる仕組みになっています。そのため、既読なのか未読なのかがまるわかりで、コミュニケーションがやや複雑になることも多いのです。
- 읽씹(イルシプ):既に読んだ(既読)状態で返信がない
- 안읽씹(アンイルシプ):まだ読まれていない(未読)のに返信がない
これらの状態を「~は嫌だよね」と文句半分で話題にする若者同士の会話もよく見られます。
4. 「읽씹」「안읽씹」をめぐる心理
どうしてこれが問題になるかというと、「メッセージを読まない・読んでも返さない=相手に興味がない」「もしくは気まずい何かがある」という印象を与えがちなためです。
しかし現実的には、忙しくて返事を後回しにしているだけかもしれません。あるいは通知が多くて見落としているかもしれませんね。
5. 実際の会話に活かす韓国語例文
■ 例1:아직 읽지도 않았어 (アジッ イルチド アナッソ)
訳:まだ読んでさえいないよ
使い方:相手から「どうして返事くれないの?」と聞かれたときに、「いや、まだ読んですらないんだよ」という場合に使用。
■ 例2:읽씹한 거야, 일부러 그런 거야? (イルシパン ゴヤ、イルブロ クロン ゴヤ?)
訳:読んで無視したの?わざとそうしたの?
使い方:友達や恋人に対して、「もしかしてわざと無視してるの?」と確認したい時に使う表現。
■ 例3:나 알림 꺼놔서 몰랐어 (ナ アリム コノァソ モルラッソ)
訳:通知をオフにしていたから気づかなかったよ
使い方:忙しくてアプリ通知を切っていただけで返信が遅れた、というシチュエーション。
6. どう対処すればいい?
もしもメッセージのやり取りで気まずい思いをしたならば、率直に「返信が遅くなってごめんね」「今バタバタしていたよ」などとひとこと送るのがベストです。
한국語でも簡単に:
- 답장 늦어서 미안해
(返信が遅れてごめんね) - 정신 없어서 바로 못 봤어
(バタバタしていてすぐ見られなかった)
7. まとめ
韓国語圏では「읽씹(イルシプ)」と「안읽씹(アンイルシプ)」と呼ばれる2つの行為が、メッセージアプリやSNSでのコミュニケーションに独特の緊張感を与えています。日本語でも似たような表現があるように、相手の状況や感情を推し量りながらやり取りを進めることが大切ですね。
無視される側は不安になり、無視した側は「そんなつもりはなかった」と思いがち。もし心当たりがあるなら、답장 늦어서 미안해などの一言を添えて、コミュニケーションを円滑にしていきましょう。
それでは次回のコラムもお楽しみに!