輝くステージ、絶え間ないファンからの愛、音楽チャートの頂点。
それがK-POPアイドルの世界です。
しかし、その華やかなスポットライトの裏側には、長い時間をかけて厳しい訓練を積み重ね、数多くの試練を乗り越えてきた練習生時代があります。今回は、その苦労と喜びに満ちた時間、K-POPアイドルの練習生時代のリアルな話をお伝えします。
個々の練習生やアイドルの体験は異なる:一部の厳しい経験が全ての練習生に当てはまるわけではない
各アイドルや練習生の経験は、他の人々の経験とは異こんにちは!15韓国語の編集長で韓国語ネイティブの「ナ先生」です。今日は、華やかなK-POPアイドルの世界の裏側にある「練習生」の日々について詳しくお話しします。輝くステージ、熱狂的なファンの応援、音楽チャートの頂点を目指す彼らの知られざる道のりを一緒に見ていきましょう。
K-POPアイドルになるまでの道のり
K-POPアイドルとして華やかなステージに立つ前には、何年にも及ぶ厳しい訓練期間があります。韓国では、アイドルを目指す若者たちを「연습생」(練習生)と呼びます。彼らが踏む一般的なステップは以下の通りです。
段階 | 韓国語 | カタカナ | 内容 |
---|---|---|---|
1 | 오디션 | オディション | 芸能事務所のオーディションに参加 |
2 | 연습생 생활 | ヨンスプセン センファル | 練習生としての訓練期間 |
3 | 평가 | ピョンガ | 定期的な評価 |
4 | 데뷔 | デビュ | デビュー |
オーディション:夢への第一歩
K-POPアイドルへの道は、まずオーディションから始まります。韓国では「캐스팅」(キャスティング)や「오디션」(オーディション)と呼ばれるこの段階で、数千人、時には数万人が参加する大規模な選考が行われます。
オーディションの種類
公開オーディション:大手芸能事務所が定期的に開催する一般向けオーディション
街頭スカウト:街中で見つけられる「길거리 캐스팅」
オーディション番組:「Produce 101」や「LOUD」などのサバイバル番組
グローバルオーディション:海外での発掘を目的としたオーディション
審査される要素
オーディションでは、以下のような要素が総合的に評価されます:
노래 실력(歌唱力)
춤 실력(ダンススキル)
외모(ビジュアル)
끼(芸能的センス・スター性)
성장 가능성(成長可能性)
実際のオーディションでは、自己紹介の後に準備した歌やダンスを披露し、審査員からの質問に答えるという流れが一般的です。合格すれば、練習生としてのキャリアがスタートします。
練習生の日常:過酷な訓練スケジュール
練習生として芸能事務所に入ると、厳しい訓練の日々が始まります。彼らの一日は、想像以上に過酷なスケジュールで埋め尽くされています。
一日のスケジュール例
7:00 朝食・通学準備
8:00~15:00 学校(学生の場合)
15:30 事務所到着
16:00~19:00 ダンス練習
19:00~19:30 夕食
19:30~21:30 ボーカルレッスン
21:30~23:00 個人練習
23:30 帰寮
24:00 就寝
事務所によって異なりますが、練習時間は一日に6~10時間以上に及び、週に一度の休日もないことが多いと言われています。学生の場合は、学校に通いながらこのスケジュールをこなさなければならず、睡眠時間は常に不足しがちです。
練習内容
練習生の訓練内容は多岐にわたります:
보컬 트레이닝(ボーカルトレーニング)
発声練習、リズム訓練、ハーモニー練習など
댄스 트레이닝(ダンストレーニング)
基礎練習、振付練習、フォーメーション練習など
랩 트레이닝(ラップトレーニング)
リズム感、フロー、ライミングなど
외국어 교육(外国語教育)
英語、日本語、中国語など
인성 교육(人格教育)
マナー、礼儀、メディアトレーニングなど
練習生の生活環境:寮生活の実態
多くの練習生は、事務所が提供する寮「기숙사」で共同生活を送ります。特に地方や海外から来た練習生にとって、この寮生活は新たな家族との出会いの場でもあります。
寮生活の特徴
相部屋制度:4~8人で一部屋を共有することが一般的
共同の責任:掃除や洗濯などの家事は当番制
食事管理:事務所によっては食事制限や栄養管理が徹底される
外出制限:門限が厳しく設定されている場合が多い
練習の継続:寮に戻ってからも個人練習を続ける練習生も多い
元BLACKPINKのジェニーは、自身の練習生時代について「연습생 시절은 힘들었지만 창의적인 시간이었어요」(練習生時代は大変でしたが、クリエイティブな時間でした)と語っています。このように、練習生一人ひとりの経験は異なります。
月例評価:緊張の瞬間
練習生にとって最も緊張する瞬間の一つが「월말 평가」(月例評価)です。多くの事務所では、毎月または定期的に練習生の成長を評価する機会を設けています。
評価の進行方法
個人またはグループでのパフォーマンス:準備した歌やダンスを披露
審査員からのフィードバック:改善点や良かった点を指摘される
ランキング発表:練習生同士のランキングが発表されることも
デビュー候補の選抜:評価結果によってはデビューグループの候補に選ばれる可能性も
この評価は、練習生にとって大きなプレッシャーですが、同時に成長の機会でもあります。ランキングが下がると、練習時間の延長や追加レッスンが課されることもあります。
練習生の経済状況:借金制度と契約
K-POP業界で特徴的なのが「선급금 제도」(前払い金制度)です。練習生の訓練にかかる費用は事務所が負担しますが、多くの場合、これは「投資」として扱われ、デビュー後の収入から返済することが求められます。
練習生にかかる費用の例
項目 | 韓国語 | カタカナ | 月額(概算) |
---|---|---|---|
レッスン費 | 레슨비 | レッソンビ | 100万~300万ウォン |
寮費・食費 | 기숙사비・식비 | キスクサビ・シクビ | 50万~100万ウォン |
衣装・メイク | 의상・메이크업 | ウィサン・メイクオプ | 30万~50万ウォン |
交通費 | 교통비 | キョトンビ | 10万~20万ウォン |
練習期間が長くなるほど借金は膨らみ、デビュー前に数千万ウォン(数百万円)に達することもあります。デビュー後も収益が借金を上回らなければ、利益を得ることができない「노예 계약」(奴隷契約)と批判される現実もあります。
近年は、この問題に対する認識が高まり、韓国公正取引委員会が標準契約書を公表するなど、改善の動きが見られています。
デビューへの道:競争と選抜
練習生全員がデビューできるわけではありません。事務所によっては、練習生の10%未満しかデビューできないとも言われています。
デビュー候補生になるための条件
高い技術力:歌、ダンス、ラップなどの基本スキルの習得
独自性:他の練習生と差別化できる個性や才能
外見:K-POPアイドルとしての適切なビジュアル
努力と姿勢:練習への取り組み方や人間性
チームワーク:グループ活動に不可欠な協調性
デビューが決まると、コンセプト決め、曲制作、振付練習、ミュージックビデオ撮影など、さらに忙しい日々が始まります。デビュー前の最終段階は、特に過酷なスケジュールになることが多いようです。
練習生からの卒業:様々な道
全ての練習生が輝かしいデビューを果たすわけではありません。多くの練習生は、様々な理由で練習生生活を終える「연습생 탈퇴」(練習生退所)を選択します。
練習生を辞める主な理由
デビューの機会がない:長期間デビューの機会がないまま年齢を重ねる
健康上の問題:過酷なスケジュールによる体調不良や怪我
経済的な問題:生活費の維持が困難になる
進学や就職:別のキャリアを選択する
事務所の方針変更:事務所の経営状況や方針の変化
練習生を辞めた後も、別の事務所で再挑戦したり、ボーカルトレーナーやダンス講師になったり、芸能界の別の分野で活躍する人も少なくありません。
K-POP練習生のメンタルヘルス
厳しい訓練と競争の世界で、メンタルヘルスの問題は避けて通れない課題です。特に若い年齢で練習生になる場合、精神的な負担は大きくなります。
練習生が直面する心理的課題
不確実な未来への不安:デビューできるかどうかの保証がない
周囲からのプレッシャー:家族や事務所からの期待
学業との両立:学生練習生の場合、勉強との両立が難しい
自己肯定感の低下:常に評価され、比較される環境
孤独感:家族や友人と離れた生活
近年は、練習生のメンタルヘルスケアに力を入れる事務所も増えています。「심리 상담」(心理カウンセリング)の提供や、適切な休息時間の確保など、より健全な環境づくりが進められています。
成功事例:苦労から生まれたスター
過酷な練習生時代を経て、世界的なスターになった事例も数多くあります。彼らの成功物語は、多くの練習生に希望を与えています。
有名アイドルの練習生時代
BTS(防弾少年団)のジミン:練習生期間はわずか1年程度でしたが、毎日16時間以上の練習をしていたことを明かしています。
TWICEのナヨン:10年以上の練習生期間を経てデビュー。オーディション番組「SIXTEEN」を勝ち抜きました。
EXOのベクヒョン:わずか4ヶ月の練習期間でデビューした異例の例。しかし、その間の猛特訓は並大抵ではなかったと語っています。
彼らは皆、「노력은 배신하지 않는다」(努力は裏切らない)という言葉を体現しています。
まとめ:情熱と忍耐の結晶
K-POPアイドルの練習生時代は、情熱と忍耐の試練の日々です。輝くステージの裏には、数え切れないほどの汗と涙があります。彼らが選んだ道は決して楽ではありませんが、夢を追い続ける若者たちの姿には、私たちが学ぶべきことがたくさんあります。
次にK-POPアイドルのパフォーマンスを見るとき、彼らが今の位置に立つまでの長い道のりを思い出してみてください。そうすれば、その輝きがより一層眩しく感じられるはずです。
K-POPファンの皆さんには、アイドルたちのデビュー前の努力にも目を向け、彼らの成長を温かく見守ってほしいと思います。「화이팅」(ファイティン)の声援は、現役アイドルだけでなく、今この瞬間も夢に向かって頑張っている無数の練習生たちにも届いているのかもしれませんね。